2007年まとめ

ブログで今年1年でやったことを振り返ってる人がいてこれは自分もやってみる価値あるなぁと思ったのでやってみる。

  • 春休み中ホテルのウェイターをした。
  • このブログをはじめた。
  • RSSソーシャルブックマークなどを活用し始めた。
  • 夏休み、長いインターンをした。
  • ICPCでは日本のトップ陣と夏合宿した。
  • TopCoderをはじめた。
  • 研究室の活動をし始めた。

ここいらへんが今年印象に残ってるイベントだと思う。


こっからはイベントの詳細とその時思ったこととかを書いとこうと思う。もう二度と経験できないことだろうから。

春休み:ホテルのウェイター

もともとホテルでバイトをしたのは、コンピュータとかけ離れたもので何かいい経験になるようなバイトを探した結果だ。正装しなきゃいけなくて自分の見た目や態度が重視されるところなんて、どんな人格であれ本人でなく作ったものが評価されるようなコンピュータ業界とは正反対だと思っていた。ま、後で正反対ってわけでもないってことがわかるんだけど。


仕事をする能力が根本的に足りないんじゃなくて、ものがどこにあるかわからなかったり何をすればいいかわからなかったりするだけなはずなのに「有名大学出てても使えねぇな」てなことをよく言われた。正直いらいらした。あ、ただステンレスのトレイと皿とかが重すぎて途中で左手が体力切れしてたのは根本的に能力が足りなかったかもしれないけど。

ホテルのウェイターは普通の飲食店のウェイターと違う。笑顔で注文をとりに行ったりしない。ただ、決まったものを手際よく出して下げるだけだ。しかもそのお客様の前に出るなんてのは幸せなひと時といってもいい。会場の設営という力仕事、つまり準備と片付けが仕事量的なメインだ。ひたすらグラスふいてたり、ひたすらドアの前に立ってたり、ひたすらいすをきれいに並べたり。
これは肉体的というより精神的にきつい。何かやるにつけ怒鳴られたり、怒鳴られる要素がないにしろきつい眼が光っていたり、逆にきつい眼が光ってないときはいつまでやればいいのかわからない単調作業が続いてる時が主だ。

バイト仲間の誰かが言った名言に「2週間続けてやってればベテランだ」ってのがあった。それだけすぐやめる人が多い。ただ、逆に2週間も連続でやってれば、その理不尽さをなんとも思わなくなってくる。精神的な苦痛がなくなってくる。慣れとは怖い。

慣れてくるにつれて、あの怒鳴りも大きな会場で大人数のバイトを少数で仕切るために、仕方ないのかなと思えてきた。しかもその人たちは社員の中で見れば若めの下っ端であり、嫌な上司がいたり、バイトが粗相をやらかさないと心配しながら、お客さんの理不尽な要求をいやな顔せずに聞かなきゃいけない日々を過ごしているためのストレスというのがあるというのもわかってきた。
きつくて東京タワーとかの夜景を見て泣きそうになっていた、自分のことで手一杯だった最初の自分から比べると大きな成長だと思う。



このバイトで出会った友達のことも書いておこう。
自分が働き始めて一週間後ぐらいだろうか、こいつ大丈夫か!?と思うほどのやたら態度の悪いやつが入ってきた。最初の集合のときに立っている姿勢でそれがわかる。
グラス拭きのとき無口でやってるか控えめに話してるのだが、こいつはやけに話してくる。声でかいから目立つっつーの。俺まで怒りのとばっちりをくいたくない。でも・・・話してるとやたらと話が面白い。
自分のやっている音楽活動のことをいきなり話し始め、それもなかなか興味深かったのだが、何より、誰もが感じているけど言えない不満を、的確に指摘している。
例えば、
「なんでみんな命令形なのかね?『持って来い』ってどうなの?お願いとまではいかなくても『持ってきて』とか普通に言えばいいのに。確かにバイトと社員って関係だけどおんなじ人間同士なんだから最低限の礼儀ってのはあるはずだよな。」
影でこういうことを言っている人はいたかもしれない。ただ、これをグラスを拭いているみんな(15人くらい)が聞こえる声で、歯切れよく言っているのに心地よさを感じた。俺はこの言葉でこいつと友達になりたいと思った。

その後、そいつの友達2人が続々と入ってきてみんなその傾向があった。社員にも平気でたてつくし、サボれるときは全力でサボるし。まぁお客さんの前に出ているときだけは割とちゃんとしてたんだけど。
社員が怒鳴り声で注意したら、逆切れして、社員のほうがあきらめて「もういいよ」といわせてしまったり、長くバイトして偉そうにしていた御局的バイトと派手に喧嘩して謹慎処分を食らったり。バイトで謹慎ってどんだけ〜って思った。

最初は社員さんとの口論が目立ちすぎてやめさせられるんじゃないかと思っていたんだけど、ところがどっこい1,2週間もすればなんか人気者になっていた。
誰にでも気軽にしゃべりかけるって習性と自分のことをよく話してくれるっていう習性が友達を作りやすいってのはまぁ分かる。でもそれだけじゃなくて、ちょっと前まで本気で喧嘩していた御局バイトや社員さんともなぜか仲良く話していてびっくりした。喧嘩した後逆に仲良くなるというものなのだろうか。

でもこいつらのおかげで、自分はすごい勇気をもらった気がする。「自分が本当に正しいと思った意見は相手が誰であれ言っても大丈夫なんだ」ってことがわかった。一時的に関係が悪くなっても最終的にいい関係が築ける。
理由は二つ。
自分の意見は割と周りの人や本人も感じていて共感してくれることが多い。
何でも言っている人のほうが実は安心感がある。

この3人に出会ってこのことに気づいていなければもっと春休みの最後までこのバイトを続けていなかったかもしれない。


ちなみに、この3人は地方から東京にやってきて音楽で成功しようと夢を追ってる。最初っから東京にいてリスクの少ない人生を歩んできてる自分とは大違いだった。全体的に見ても、長く続けてる人はそういう音楽業界とかで夢を追っている人か、中国や韓国の人ばかりだ。
あまりシフトに縛られない上、給料が結構良くて、まかないがあるのがいいらしい。後いいことといえばわりときれいな女の子が多いってことかな。化粧にだまされてるだけな気もするし、そもそも男女でやる作業が違うことが主なのであまり関わりないんだけど。

何か夢や信念がある人が生きていくために稼いでるっていう感じがあって、ここでバイトしている人は魅力ある人が多かったと思う。

春休み〜夏休み

ここら辺はアルゴリズムの勉強とか地道な努力があったのだが特筆するようなことはない。ドラマとか映画にしたらバッサリカットされる部分だ。
「人生は要約できない」ってなんかの小説で読んだけどまったくその通りだ。要約してしまうと大きなイベントやなんかの授賞式だったりがその人の経歴として刻まれるけれど、大事だった部分は実際はその過程の一人がんばっていた部分なのだと思う。
あ、ちなみに自分はあまり多くのことはできないタイプなのでホテルのバイトのほうはやらなくなった。


7月6日、ICPC国内予選でオフィシャルで10位に食い込んだ。これのおかげで夏合宿に行けるようになったのでよかった。
自分の中でうれしかったのは、自分の力でもICPCの国内予選を突破できるなと思えたことだ。10位という順位はnobuのおかげだと思うけど、去年の国内予選突破は明らかに自分はいてもいなくても変わらなかったので自分の成長を感じられた。

(つづく)